映画犀

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我々は宇宙人

我々は宇宙人
©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

ロトスコープの手法を用いたアニメーションは子供特有の落ち着きのない身振りから細かな小道具に至るまで精巧に再現し、観客の記憶に働きかけてノスタルジーを呼び起こす。子供の頃の経験が今の自分につながっているとしても、大人になれば大抵は取るに足らない記憶として忘れていく。些細なことで喧嘩し疎遠になることも珍しくないが、そんな過去を忘れた者と、それをいつまでも抱えて恨み続ける者。仲良くなった小学生二人の間に生じたすれ違いを描く物語は、観客自身の子供時代の感覚を映像として立ち上げるようなノスタルジックな空気を纏っている。

クラスで浮いていた翼は、暁太郎に相棒になろうと誘われ、仲を深めていく。しかし遊びに夢中になった暁太郎が翼の傘を壊してしまい、母親からゲームを取り上げられた翼は次第に暁太郎を疎ましく思うようになる。やがて翼は暁太郎の粘土工作を階段の上から落として同級生の小夏が運んでいた水槽もろとも壊してしまう。偶々その場に居合わせた暁太郎が犯人扱いされ、二人の関係は修復不能になっていく。さらには暁太郎に宛てて小夏からの恋文を装った偽の手紙まで作る翼。だがしばらくして彼は、暁太郎が傘の件をずっと気にかけて謝ろうとしていたことを知る。そして物語後半ではそれまでの一連の経緯が暁太郎の視点から描かれることで、同じ出来事が別の意味を帯びて見えてくる。

十数年の時を経て、うだつの上がらない大人になった暁太郎が復讐を企て、翼をつけ狙うサスペンスへと急転換する終盤の展開も興味深い。ただ全体的には演出の力みが気になった。ノスタルジーの再現においては秀でているかもしれないが、人間関係の繊細な機微を度々誇張された描写で過剰に見せつけられているようで、観ていてどうしても冷めてしまう。しつこいのは暁太郎よりも、この映画のほうだろう。高い技術と豊かな感性を感じさせる一方、感情を強く誘導しようとするあざとさに没入を妨げられてしまった、というのは意地悪な見方なのだろうか…。

監督・脚本 門脇康平
出演 坂東龍汰/岡山天音/山﨑天/松井ケムリ/槙木悠人/中込佑玖/鈴木咲/末永陽/佐野岳/大関れいか/佐々木ありさ/エド・はるみ
オススメ度 ★★*

https://nothingnew.film/wearealiens/